『黒魔女さんと受験の神さま』(15巻)を読んだ

☆ネタバレ・ツッコミあり!未読の方は注意




☆作者、信頼できる……

黒魔女さんで受験ネタ、というのは舞台が東京なのでわかるんだけど、6年生の秋冬から受験を決めて間に合うものなの?という疑問がありまして。

あとがきで、そこに触れられててよかったです。
読者から寄せられたあるあるや作者の塾講師時代の経験からすると、「小6になってから受験を決める人も、それで間に合う人もたまにいる」らしいんですね。

私は中学受験なんて文化の存在しないド田舎育ちなので、中学受験は小4から頑張らないと間に合わない、という一般的な認識でしか知らなかったし、中学受験が当たり前の地域のあるあるが知られて興味深かった。

でも、だからこそ今回のお話はリアル小学生の頃に刊行されてなくてよかったなぁ、と思った。
舞台が東京だろうが、作中に登場する小学生たちの様子に多少なりとも共感・自分を重ねていたので、中学受験で卒業前はバタバタしてる、なんて都会の小学生特有のエピソード出されたら発狂してた。大人になっててよかった。

なんにせよ、作者がちゃんとリアルな小学生の様子をしっかりリサーチして物語に落とし込んでいるからこそ、小学生の頃に読んでたら今回の話は感情移入できなくてヤバかったと思う。



☆重い女、黒鳥

好きな男を追って(幼なじみに引きずられて)中学受験を決めた、ということになっていたけど、決め手は「黒魔女としてギュービッド様といっしょにいたいから」なんでしょ!?!?!

しれっと「普通の女の子に戻る」選択肢を放棄してるし。

お前さぁ……。

こんな、こんなのきいてない。

公式が最大手、チョコギューなんだよな。

黒革コートに頬ずりする新規スチル(スチルではない)、最高だった。チョコギューピクチャーありがとう。



☆暗御留燃阿問題

暗御留燃阿と大形京、本当にうまくやり直せてるんだなぁってようやく信じることができた。
大形くんが自分のせいで面接落ちるかもしれないと姿を消した暗御留燃阿、きっと小学校受験で失敗したトラウマもあってのことだと思うし、すごく辛かったんじゃなかろうか。



☆今回の大形京

心を入れ替えて優しくなったそうだが、やっぱり頭が良くて性格悪いところ変わってないのでは?

あんな運転免許筆記試験も真っ青の性根がねじ曲がった問題をほぼ満点出せるって、受験勉強の甲斐あってのことなんだとわかってはいるけど、人間性を疑ってしまう。



☆京チョコの民、息してるか?

私はしてない。
模試の反省会? 勉強会? ふたりっきり、無人の教室、何も起こらないはずもなく……(やめろ)。

黒鳥千代子、ここまで感情向けといてなんで頑なに恋だと認めないんだよ。
恋だよ。



☆6年1組、いい子だね……。

5年生編初期のギスギスっぷりからは考えられないくらい、6年1組がいい子になっててびっくりする。いろいろあったもんね……クラス全員がマブダチってワケ。

東海寺と麻倉、まだ小学6年生なのに、遠くに行こうとしている好きな女の背中をためらいなく押してあげられるの、男前すぎて泣く。
黒鳥……こんな良い子たちを振るのか???
幸せにならなきゃ私が許さんが……???(私は黒鳥の何なの?)

そして「チョコは一緒に聖ウリエルを受けるんだってぇ」と勝ち誇ってる紫苑メグ、強すぎない??? マウント取ってんのか???
メグチョコ“ある”じゃん……。

あとしれっとクラスメイトが3人ほど生贄にさせられそうになってるけど大丈夫か?と思ったら最後の最後でそうくるか……となった。
今行った時点で手遅れの可能性もあるし、私だったら試験終了まで待っちゃうな。

しれっと魔界の者が紛れて子どもを巻き込んでるこの感じ、5年生編に近い鮮やかな手腕を感じて懐かしくなった。



次も楽しみ。
チョコさん、手応えありだしたぶん受かるんだろうけどあっさり合格とはいかなそうで心配だな……。試験はギリギリ不合格だけど、生贄になりそうな友人を救ったという功績が素行の面で加点されて合格、とかになるのかな……。