⚠ネタバレしかないです。今出川ルヴォワールはもちろん、前作と前々作にあたる烏丸ルヴォワールや丸太町ルヴォワールを未読の方もご注意ください。
ルヴォワールは頭は良いのに不器用な大学生達が主役なだけあって、よくわからないパロや言い回し、京都のご当地ネタもたくさん出てくるし、気になったらググりながら読んでるのでめちゃくちゃ時間がかかる。
解説で書かれてることにめちゃくちゃ同意。
推理も世界観も張り巡らされた小ネタも、「ついてこれるならついてこい!」っていう勢いを感じるんだよね。わかんなくても読み進められるけど、知りたくなるから立ち止まってしまう。でも、人間関係の行方が気になってつい先を追いかけてしまう。
4冊にわたる大長編だと思って読むべき、というのもめちゃくちゃわかる。
3冊目まで読み終えて思ったけど、とある青年の初恋(丸太町)からここまで世界が広がるなんてワクワクするから。
絶対1冊目から順番に読むべきなんだよな。
☆瓶賀さん……
瓶賀さんがモテること、その手の返しに慣れてることを知ってめちゃくちゃドキドキしちゃった。
瓶賀さんカッコイイな!!!お近づきになりてぇ。
京都の雀荘に行けば会えますか???
それとも京大法学部???
麻雀も勉強も全くわからないので早速詰みじゃん。
どうやったら瓶賀コネクションに加えてもらえるんだ……。
人生の師匠こと烏有さん、初恋を奪われた繰子ちゃん、虚空坊、そして後輩の達也。
何人たぶらかせば(フラグ立てれば)気が済むんだ。
私も好きだよ。(告白)
瓶賀さんか達也を選んでくれてよかった。
個人的には落花との距離感が好き。
あと繰子ちゃんと出かけたときのエピソードも好きです。大人のお姉さんが思春期の少女を連れ回すのが好きすぎるので。
☆安定の城坂論語
めんどくさい奴ではあるけど、恋煩いのせいでだいぶ毒が抜けてデロデロの蜜になってるのおもしろすぎる。
もうシリーズ3冊目なんだけど、進展しそうでしないんだね。
「そのほうがおもしろい」「おもしろくない真相に興味無い」ってスタンス、すげーわかる。
だって論語が提示する可能性ってたしかにおもしろいから。
論語が青蓮院に入ろうとしてるの衝撃なんだが!?
えっ……言吹きの論語と神成りの達也で龍樹を引っ張っていくんじゃないのかよ!?
論語のことだから気まぐれのようでいてなんか考えがあるんだろうな。撫子の青蓮院入りを阻止するって考え以外にも……。
☆頭の良い人の会話
このシリーズによく出てくる、頭の良い人ならではの比喩や言い回しがとても好きなんですが、そのなかでもグッときたのが瓶賀さんと論語のやり取り。
「〜甘すぎて反吐が出そうだ」
「〜そりゃあ、糖度も上がっていることでしょう」
「〜脳幹を切ったらとろりと蜜が溢れますね」
「〜さぞかしクワガタが捕れるだろうよ」
「ぼくの蜜は虫風情に舐めさせるためにあるんじゃありませんよ」
小学生みたいな煽りあいなのに、2人とも頭の回転がめちゃくちゃ早いことがわかる。
論語→撫子の感情もゲロ甘だってこともわかる。
☆達也と辺理について
初期は巻き込まれ型の真面目なようでいて変わった大学生、ってイメージだったんだけど、過去について語られていくごとに「こいつヤベーな……」ってなっていく。
亡き母にそっくりなお姉さんこと辺理さんがCV早見沙織で脳内再生される。
弟の幸せを瓶賀さんに託した辺理さん、めちゃくちゃ素敵な女性だな。
この姉弟が2人とも祝福されて生まれてきたのってとても救いだと思う。
ただの異母姉弟じゃない。ポリアモリーが成立した3人の愛のかたちなんだよな。
雷蔵さんの恋愛観めちゃくちゃ良いな。サイコーだよ。
ただ、御堂家のせいで母親の人生はめちゃくちゃになったとずっと信じ込んで生きてきた達也が突きつけられる真実としてはつらいものがあるな。
これまでの人生で溜め込んできた感情をどこへぶつければいいかわからないじゃん。
母は幸せだったし、達也を産むことを望んでいた。
それって救いのはずなのに、どこか残酷な気がするんだよ。そら“負け”になるよな……。
☆撫子と論語の関係性ヤバヤバでは!?
論語→撫子(ルージュ)から始まった関係性、撫子の方もまんざらでもなさそうで安心して見守ってたんですけど〜……。
爆弾が落とされてしまった……。
論語に惹かれつつあるのに選びきれないのは、消えた兄に似ていたから。
自分を何年も追い続けてくれたボーイフレンドに、兄の面影を重ねるなんてたしかに辛いだろうな。
大和さんって実在したのか。なぜか撫子が男装して龍師をしていた理由は、兄の代わりをしていたからなのね。だから落花は撫子に「好きに生きろ」って促したのか。
龍樹家は4人きょうだいってことかね。たしか一番下に弟いたよね。
たしかに論語に似てるけど、そもそも論語に似た人間がそう何人もいてたまるかよって感じはする。
何か決定的な違いがありそうな気がする。